本紙 約132,5 ×32㎝
軸装 約208 ×35,2㎝
紙本
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山田無文
明治33年(1900)~平成元年(1989)
妙心寺霊雲院住職、花園大学学長、
禅文化研究所所長、妙心寺派管長を歴任、
花園大学名誉学長
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長いです。
「了」は、終わる・はっきりわかる・悟る・明らか、の意。
こんなに太く、長くかかれているのは、
「よーくわかった」ってことでしょう。
「ゝ(繰り返し)」が二つもつけられていますので、
「よーくわかった。わかった、わかった。」
少し前にSNSで「了解」のことを、「了」とあらわすのがスタンダードだったことがありました。
とすると、
「ばっちり了解!」ですね。
極太の筆にたっぷり墨を含ませて紙に降ろし、
下に長く引く前の角の辺りは、力が籠りすぎて、
墨にダマができています!
畳の上で揮毫されたのでしょうか、長い筆跡に縞が現れています。
荒々しい姿の文字の留めもあって、
大きな虎の太い尻尾のようです。
とすると、
「ゝ」
「ゝ」
は虎の足跡かな。
無文さんが講ぜられた「臨済録」を文字におこした、
禅文化研究所発行「臨済録」を拝読すると、
随所で無文さんが、虎が吼えるように一喝されています。
本作品は同様に、
無文さんの吼える声が、聞こえてくるような一幅。
「臨済録」は、
唐時代、鎮州滹沱(こだ)河に臨む臨済院の義玄禅師の言葉を集めた語録。
義玄禅師(臨済禅師)は、咸通8年(867)に遷化されて(亡くなって)います。
臨済宗の祖です。
原文は、理解することも感じることも、私にはほとんどできませんが、
無文さんの臨済録の講義は、
臨済さんが伝えようとしたことを、無文さんの言葉で、情熱で、私にぶち込んでくれます。
書は、書いた人の生き様、人間性がはっきり表れます。
本作品は心を掴み、精神を揺さぶってくれる一幅です。
通常は紙で表装される禅僧の書を、
よりお金のかかる裂で表装されています。
表具された方のこの作品への敬意がうかがえます。
本紙に皺・折れが出ています。
画像でご確認ください。
無地誂え箱
¥38500
消費税・送料込
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書き始めの太さは約8㎝! スケールを感じていただけますでしょうか
私の手は長さ約18㎝です
僅かによごれがございます
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