大 39,3 ×22,7㎝ 高さ2,2㎝
小 37 ×20㎝ 高さ2㎝

奥村霞城
漆工家
明治26年(1893)~昭和11年(1937)
京都市立美術工芸学校漆工科卒業後
大正2年 京都美工院同人
昭和5年 京都市立美術工芸学校教員。
昭和10年に完成したそごう大阪店の
2階貴賓室の扉の蒔絵を手掛けた方のようです。

非常に上手い漆芸です。

原本は、俵屋宗達下絵・本阿弥光悦書の
「花卉に蝶摺絵新古今和歌巻」かと思われます。

宗達が木版で金銀泥で表わした揚羽蝶の姿を
忠実なフォルムで再現しています。
銀色の羽根は
鉛か錫の板を嵌めています。
まさに
もし「花卉に蝶摺絵新古今和歌巻」を
尾形光琳が造形作品にしていたら
この作品のようになったであろう姿です。

たっぷりとした金蒔絵で描かれた揚羽蝶の躰、
長くなびいた触覚を描く筆は
漆芸とは思えない美しいラインを描いています。

銀で蒔絵された歌部分
「君か為ハるの野に出て若菜つむ」も
光悦の書、そのものの姿です。

現代でも大変に人気のある琳派の絵は
着物など、様々な工芸の作家が写そうと試みますが
ほとんどの場合、
本歌(元の作品)とは似ても似つかない
下手な作品です。

俵屋宗達の意匠を昇華させ立体に作品に仕上げた
奥村霞城という漆工家は
よほどセンスと腕の良い人だったのでしょう。

大きい盆の底から縁への接合右下部分には
木胎と漆塗りの収縮の差により
縦5㎝・横3,5㎝程の亀裂がございます。
小さい盆の裏側上部右側には
縦6㎜・横1,6㎝程表面が浮き上がった部分がございます。
画像でご確認ください。

共箱
¥70,000
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撮影者の写り込みを避けた、横からの画像

小盆

横画像

横画像。素晴らしいフォルムです。

箱表。シミ有り

蓋裏。落款の文字も琳派ですね

大盆・傷み部分

小盆・傷み部分