本紙 約18,8 ×32,5㎝
軸装 約105 ×36,4㎝
紙本

玉室宗珀
(ぎょうしつそうはく)
元亀3年(1572)~寛永18年(1641)
大徳寺147世

桃山時代、誰が武家政権のトップに立つかの混乱期から、
徳川時代への激動の時代に、
大徳寺の頂点にあり、
天皇の帰依信頼も厚かった高僧です。
加賀藩主前田家の帰依を受け、
芳春院を開きました。
茶の湯に深くかかわったことでも知られています。

江戸幕府が成立すると、徳川幕府は法度を定め、
それまで朝廷が高僧に与えていた、徳の高さを示す紫の法衣や称号を、
幕府の許可なしに与えることを禁じます。
でも、当時の後水尾天皇は、
それまで通り幕府の許可なしにそれを与える勅許状を出したんです。
幕府は、これを許さず、無効を命じました。
朝廷は反発します。
朝廷に同調し、京都の高僧たちは抗弁書を書いて抗議したんですが、
幕府は、幕命に反した罪でトップの高僧たちを流罪にします。
この時、流罪になった一人が、
玉室宗伯です。
陸奥に3年流されました。

ちなみに、たくあん漬で有名な澤庵も、
この時出羽に流罪になりました。

蕭々芦葦映江流
独棹孤蓬漾小舟
細雨斜風渾不顧
一心只在釣竿頭

噇眠道人

蕭々と葦が水面に映る川の流れに
一人棹さしてゆくと、ただよっている小舟に出逢う
少しの雨風は構わないんだ
ただ一心に釣りの事だけ考えるんだ

パフォーマンスの全くない、淡々とした書。
この方の計り知れない深さが現れています。

自分の棹で、流れを読み、
人生の川を漕いでいく。
多少のことに乱されずに、ひたすら自分の仕事のことだけ、
心に持っていこう。

噇眠(子)は、玉室さんの号(ペンネーム)です。

枯れた色の古いモミ紙の天地と押し風袋、
緞子の中廻し、
竹屋町裂の上下一文字。
高僧に相応しい表具です。

モミ紙に汚れや傷み、中廻しに虫食いがございます。
鑑賞に差し障る程度ではりません。

作品本紙に多少の折れがございます。
汚れはなく、悪くないコンディションです。

画像でご確認ください。

軸先竹細工
時代無地合わせ箱
(箱がやや大きいです)
タトウ付

もちろん本物ですが、
箱が合わせであること、来歴がないことから
格安です。

掛けると、精神力の強さがぐいぐいきます。
わかる人のためにある、
そんな感じです。

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消費税・送料込

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玉室宗伯筆 七絶

玉室宗伯筆七絶
 

 
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