径 約7,6㎝
高さ 約7,9㎝
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黒漆に梨地を施した海に、
幾筋も金色の波が立って、所々に渦が巻いています。
ボストン美術館の光琳の松島図屏風に描かれた岩場は、
幾重にも稜を重ねた独特な姿をしていますが、
本作品を一目見たとき、それが頭に浮かびました。
稜部分を際立たせるために、
本作品は岩の輪郭部を重ねています。
その金を高く盛った輪郭線が、独特にギクシャクしています。
岩と、盛った輪郭の間に微妙な空間を持たせています。
波頭は青金(せいきん/金を混ぜた銀)。
不思議な絵です。
側面に描かれた波の一部は、
甲(蓋上)の画面につながっていますが、
途中に金色の空間があり、
竜巻のように立ち上がった波によって、
別の水面を独立した空間に存在させています。
黒を効かせた絵も、非常に独特です。
内側と底はすっかり金。
箱は黒漆塗で、箱の内側は凹凸のある石地塗。
箱の蓋表には「鳴門蒔絵棗」、
横に「大仙」と金蒔絵され、朱漆の花押。
¥70000
消費税・送料込
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内側
箱内側