本紙 約114,2 ×32,5㎝
軸装 約197 ×46㎝
絹本着色

北野恒富
明治13年(1880)~昭和22年(1947)
情感の濃い頽廃的な美人画で一世を風靡した大阪画壇の巨星。
大阪をはじめ、各地の美術館にその作品が所蔵されています。

本作品は、琳派の手法で描かれた二羽の真鶴。
写実を根底に、大胆に省略された筆致で輪郭を描き、
垂らし込みの技法で羽を表現しています。

ぐるんと首の向きを変えた鶴の、
アールを強調したデザイン的なアウトラインがとても面白い!
黒い羽と白い羽の境目が、丸い、鶴の姿に際立って強い印象です。

目の周りの深く濃い赤色。
画面の右の上下を斜めに横切る金泥の流れ。
画面全体が揺らぎ、見る者に心地よい不安定さを与えます。

鶴たちの足元に散っているのは、
金泥で描かれた桜の花びらでしょう。
そばに満開の桜の樹があるんだろうなとか、
同じ方向を向いた二羽の鶴が何に気を取られているのかとか、
物語の詰まった一幅です。

本紙にほんのわずかな汚れと、
右の軸先付近の軸装に汚れがございます。
鑑賞に全く差しさわりありません。

共箱

¥132000
消費税・送料込

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北野恒富筆 真鶴

 

  
本紙汚れ部分
 
軸装汚れ部分
軸索象牙
 

上質な金襴が表具に使われています