口を含む横幅 約11㎝
底 約7~7,3㎝四方
取っ手を含む高さ 16㎝強
本体の高さ 約9,3㎝
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佐々木彦兵衛
江戸時代前期から続く京都の釜師
樂了入
宝暦6年(1756)~天保5年(1834)
千家職方茶碗師9代
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燗鍋は、お茶事の懐石で使われる酒器。
時代劇などでは、身分の高い方がご酒を召される時に、
その盃にお酒を注いでいます。
徳利が庶民の酒器、燗鍋は格の高い酒器といってよいでしょう。
懐石の席では、お代わりを注ぐ時に蓋を変えて登場させ、お客様の目を楽しませる、といった
上品で、ハイクオリティなおもてなしの道具の一つです。
渡りものの古染付の破片を蓋に作り替えたり、
ワンポイントに趣向を凝らすのは、
亭主のセンスの見せ所です。
本作品の蓋は、樂家9代了入の作。
蓋裏にくっきり印が押されています。
この印は「隠居印」、56才以降の印とされています。
5,7㎝四方程度の小さな蓋ですが、
上には了入らしいシュッとした箆目が施され、
ざっくりとした摘みがつけられた優品です。
残念なことに、角の一つが割れて朱漆で修復されています。
燗鍋自体は鉄製です。
通常は丸く、扁平に成型されますので、四角も縦に高いのも珍しい形です。
取っ手は、これがまた釜師らしい豆のさやの形。
黄銅製です。
虫に喰われた穴まで表現されています。
釜鐶に多くみられるポコポコした豆のさやの形が、
四角柱の本体とよく合っています。
底に小さな三つ足付。
ほんのちょっぴりだけ、底からじわじわ漏れます。
懐石でお酒を注いで回る時間は長くありませんし、
燗鍋は霧吹きして、ビショビショで使う器物ですので、
使用に問題はないと存じます。
共箱
¥57000
消費税・送料込
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修復部分
塗蓋の場合
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内/ 底
箱蓋表
箱裏/ 箱蓋裏
水をなみなみと入れて1時間後の底の状態
一時間で漏れた水の量、直径3,5㎝くらい