約19,1㎝四方
高さ 約25,6㎝

四隅を内に入れた《入隅/入角》のほぼ方形の五段重。
上の3段は深さ(外側)が約4,3㎝、
下の2段は約6㎝です。

器体の4つの側面に、3本・3本・3本・4本と、
合計10筋の藤の花が金蒔絵で描かれます。

細い筆で輪郭と葉脈を線描きで表わす描き方と、
面で描いて、塗り残した地塗の黒で形を表す、お洒落な蒔絵表現。

白黒のモノトーンを金で表現した、といいましょうか。

蓋上は、面的表現の金の葉っぱと、線描きの葉っぱが美しく重なり合っています。

入隅の形は、造るのに単なる四角より格段に手間のかかる形です。
木胎をどのように成型したかは不明ですが、
側面は漆の下に布着せした目が薄っすらわかります。
縁の厚さは約5㎜と薄いですが、継ぎ目に傷みは全くありません。
とても手の込んだ極上の作品です。

一番上の段の内側のみ、使用による擦れがありますが、
他の4段は未使用ではと思われる美品。
蓋裏の一角に5㎜程度の漆の剥げがありましたが、修復済みです。

蓋表に
「御屠蘇道具の内 藤画 小重箱 七組ノ内」
と墨書きされていますので、お正月道具の一具であったことがわかります。
藤は、非常にたくさんの花をつけますので、
季節を問わずおめでたい図柄の一つ。

こんなにお洒落なデザインは初めてみました。
幾何学的な現代建築にもマッチしそうです。

「春孝」と蒔絵師の銘がありますが、
どのような経歴の職人か不明です。

下が深い重箱の器形、薄い造りは、江戸時代の重箱のスタイルです。
重ねた重箱を手前から収納する倹鈍蓋式の外箱も、明治以前のスタイルです。

¥100000
消費税・送料込

◇お問合せフォーム◇

◆お買い物の流れ◆

◇営業予定◇

◇facebook◇
◆Instagram◆

藤蒔絵重箱




縁上は金蒔絵が施されています
裏に段差を設けることで重ねるスタイルです
一段目内側の擦れ

  
外箱
外箱上部の汚れ

蓋裏修復ヵ所