22,5 ×17㎝四方
高さ 約3,5㎝
被せ蓋造
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守屋松亭
(もりやしょうてい)
明治23年(1890)~昭和47年(1972)
益田鈍翁さんを中心とする近代経済人数寄者が
大変ご贔屓にされた蒔絵師。
渡辺喜三郎が塗り、松亭が蒔絵するのが定番です。
本作品は、
真っ黒の漆の地に、花瓶の夏の花が描かれます。
蓋表四方は面取りされ、
梨地が施されます。
中央より右に、
金銀のグラデーションの花瓶に生けられた夏の花々。
真っ直ぐに高く立つ立葵には2輪の花が咲き
その花弁は銀の面で描かれ、
おおきな蕊が金を高く盛って表現されます。
葉や花々が、研ぎ出し蒔絵で平坦に描かれる中で、
見事なバランスです。
下に咲く紫陽花は螺鈿を貼って、輪郭を金で囲います。
技巧を凝らした表現です。
この花瓶の花の図をみて、
「どこかで見た」
と思われた方も多いはず。
酒井抱一が文化12年(1815)に描いた「瓶花図/へいかず」です。
この年は、抱一の私淑した尾形光琳の百回忌にあたり、
抱一は百幅の作品を描きました。
その中の一幅です。
オリジナルの掛け軸は、大和文華館がご所蔵です。
松亭の蒔絵する作品の土台は喜三郎が塗るのが定番で、
喜三郎の塗りは、
薄さ、
独特な艶を持つこと、
木地の風合いを残した作品が多いことが特徴ですが、
本作品も、非常に薄い木地に艶々の漆、木目を生かした塗り。
銘はありませんが、
喜三郎の作品と考えられます。
蓋の右サイド下に、松亭の銘と花押が蒔絵で記されます。
所々に傷み、修復痕がございます。
画像でご確認ください。
些細な難点がございますために、格安です。
硯は使用の形跡がありません。
黄銅鍍金の水滴も良い細工です。
外箱無し
《お買い上げありがとうございます》
角から浅い亀裂あり、角修復痕
底も面取りです
底裏コンデション
蓋表アタリ
底角アタリ
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蓋表アタリ・擦れ
蓋裏、渡辺喜三郎特有の艶と木目
水滴