開いた時の横最大 約44㎝
紙の縦幅 約16,5㎝
扇の縦長 約28,5㎝
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横に伸びた太い幹から縦に生えた枝に満開の白梅。
扇の画面を最大限に活かした構図です。
左端からピューッと伸びた若い枝や、
画面右側の花の密集する端のピーっと真っすぐな枝が
寒い空気の中で生き生きと咲く白梅の生命力とか、
清々しさを際立たせています。
やはり、大雅は天才です。
太い幹のアールの下の空間に、蕾があるのも最高の配置!
15才で、扇に画を描くことから画業を始め、
最晩年の「東山清音帖」(16面/重要文化財)まで、
ずーっと扇面に画を描くことが好きだった大雅ですが、
池大雅作品集(昭和35年中央公論美術出版)に掲載された大雅の画作品682点に、扇面の梅の図はありませんでした。
款記の「霞樵」の「霞」の崩し方、
「樵」の書き方・画風から、本作品は40才代の作品でしょう。
印章は「東山大雅堂蔵○之記」朱文長方印。
これは初見の印章です。
作品としても印章としても貴重な優品。
扇の紙には修復痕がございますが、画に影響しておらず、
とても良いコンディションです。
竹製の骨はごく薄く細く作られています。
外側の骨の先端は、非常に美しいアールが掛けられた極上の仕事です。
和紙の袋が付随します。
《お買い上げありがとうございます》
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裏面
山折り部分に穴の修復痕がございます
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絶妙に竹を曲げています
扇としても極上の作りです
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池大雅
享保8年(1723)~安永5年(1776)
諱/橆名(ありな)・勤
字/貨成・公敏
号/大雅堂・三岳道者・霞樵・九霞、他
京都に生まれ活躍した、絵師で書家、文人。
当時、応挙・若冲と並ぶ、大人気アーティストです。
20才代ですでに名声が高く、
旅が好きで日本各地を旅したため、
日本各地に大量に贋物が存在しています。
近世の絵師で、
国宝・重要文化財に指定されている作品は大雅が最も多いことは、
現在ではあまり知られていません。
文化庁にも数多くの大雅作品が収蔵されています。
川端康成、梅原龍三郎、谷川徹三ら
一流の文化人、画家たちも大雅に魅了され、
その作品を愛藏されていました。
国宝に指定されている「十便十宜図」は川端康成さんの旧蔵品です。