胴径 約6,1㎝
高さ 約7,7㎝
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不思議なデザインの棗です。
中心を外して左に、竹の幹として黄色と朱色の二本の帯がまっすぐ描かれています。
黄色く見えるのは、蒔絵粉が密に蒔き詰られた詰梨地の金色なのでした!
朱の方にも、金粉がちりばめられています。
輪郭など、線は全て銀で描かれます。
4筋の非常に細い竹の枝が、幹の傍らの底から伸びて、
縦横に広がって、棗全体を覆っています。
「竹」の姿を借りた蔓植物のようです。
その葉は、
金色に輝く詰梨地と、
朱漆地の梨地との輪郭・葉脈を銀で描いたのと、
すっかり銀で描いて塗り残すことで葉脈を現わしたのと、
3パターンのミックスです。
竹は通常、清楚・清廉・真っ直ぐの象徴ですが、
本作品では、華やかで広範囲に極めて装飾的。
上へと伸びた枝葉は、
蓋上から反対側に達し、横に伸びた枝葉と交錯します。
立体物でなければできないめくるめく装飾表現です。
カラフルな二本の幹は、合のすぐ下で、ぶっつり切れています。
面白い!
合の重なり部分から内側は、蒔絵粉の密度の濃い詰梨地です。
表面に透き漆が施されているようです。
蓋の甲(上)から側面への肩部分に、
一段が設けられています。
装飾性にこだわったデザインです。
側面下部に3㎜×4㎜ほど擦れのある箇所がございます。
金粉が多用されているためか、手取りがやや重たいです。
古裂で仕立てた包布付き
時代箱
箱にも貼り紙にも「嵯峨蒔絵」とありますが、
桃山時代の嵯峨棗とは別物です。
¥110000
消費税・送料込
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身内側/ 蓋内側
底裏
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紐が少し短いです
擦れ部分